むくみの主な原因

”むくみ”は、普段の生活の中でよく見られる症状のひとつです。

 

むくみのメカニズムを簡単に説明すると、何らかの原因によって静脈を流れる血液の流れが悪くなる、または詰まったり、リンパ液がスムーズに流れなくなることで、血管外の水分が皮下組織に過剰に溜まった状態をいいます。

 

むくみ(浮腫み)原因と解消法について

一時的なものは「生理的なむくみ」がほとんど

むくみには、大きく分けて、足や、顔、手が一時的にむくんでも翌日には解消するような「生理的なむくみ」と、心疾患、腎疾患、内分泌性疾患、ホルモンバランスの乱れ、肝硬変など「病気が原因のもの」があります。

 

後者の「病気が原因のむくみ」は、治療が必要となりますので、足、顔、手などの部位にかかわらず、むくみの症状が特にひどく感じられる、または長引くようであれば、一度医療機関を受診しましょう。

 

前者の「生理的なむくみ」については、日常生活で多くの方が感じているもので、一時的なものであることから、あまり気にしてないという方も多いようです。この「生理的なむくみ」については、一般的には下記のようなことが原因として考えられます。

 

 

座りっぱなし、立ちっぱなしなど同じ姿勢で長時間いることで足がむくむ

「夕方には足がむくんでパンパン」という経験は、特に女性であればほとんどの方があるのではないでしょうか?

 

人体において、特に下肢(脚部)がむくみやすい部位なのは、重力の影響でどうしても脚部に血液が溜まりやすいという「人体構造上の問題」があります。

 

長時間の立ち仕事や、ディスクワークなどの座り仕事では、常に脚部が身体の下部にあるわけですから、重力の影響で足の静脈に血液が溜まり、静脈圧が上昇することになります。
すると、血管内から皮下組織に水分が押し出され、この余分な水分がむくみとなってあらわれます。

 

足の筋ポンプ作用が働かない

同じ姿勢でいるということは、足の筋肉も使わないでいることも多く、これが足のむくみの大きな原因となります。

 

それは、足を動かさないでいることで、血液を心臓に戻す「筋ポンプ作用」が働かないため、さらに足に血液が溜まりむくみが強くなっていきます。

 

しかし、ほとんどの場合、夜寝ることで下肢にたまった血液が全身に戻り、翌朝にはむくみがとれるはずですが、乱れた食生活や運動不足などが原因で、慢性化したむくみの場合は、夜寝てもすっきりと解消しない場合もありますが、数日もすれば解消することがほとんどです。

 

朝起きると、顔がむくんでいる?その原因は?

朝起きた時に、鏡を見ると顔や瞼がむくんでパンパン!これも多くの方が経験しているでしょう。

 

このように、顔がむくんでしまう原因は、夜寝ることによって起きてしまいます。

 

というのは、日中の活動している時に足に溜まっていた水分が全身に均等に分配されるてしまうためです。

 

残念なことですが、夜寝ることは日中活動している時に比較すると顔にも水分が溜まり、個人差はありますが、パンパンしてむくんだ状態になります。

 

特に、前日に水分や塩分を多く摂ってしまったり、アルコールを飲んだ翌朝は顔のむくみが如実にあらわれます。

 

さらに、うつ伏せ寝では顔が下になるので一層顔がむくみやすくなります。また顔では特に上まぶたがむくみが出やすい部位でもあります。

 

しかし、このような顔のむくみは、大抵の場合起きてから活動することで自然に解消されます。それは顔の水分が重力の影響で下に下がるためです。

 

その他の、むくみの原因

インスタント食品などの塩分のとりすぎ

 塩分の影響で細胞の浸透現象で血管の外に水が染み出してしまうためむくみが起きます。

 

冷え、血行不良など

 冷えは血流が悪い状態です。また筋肉の疲れやストレスなどによる筋肉の緊張は、冷えと同じく血行不良を引き起こし、結果的にむくみが起きてしまいます。

 

運動不足を含む新陳代謝の低下

 運動不足では筋肉量が低下します。特にふくらはぎの筋肉量の低下は、血液を心臓へ戻すことが困難になるため足がむくみやすくなります。また運動不足による基礎代謝の低下で新陳代謝が悪くなり、より太りやすくなります。肥満もむくみの原因となります。

 

ビタミン、ミネラル、タンパク質の不足

 特にカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB1、タンパク質が不足すると、むくみが出やすくなります。

 

性別、年齢によるむくみ

 女性は、生理の時に女性ホルモンの影響で血管が広がるため尿の量が減ります。これが生理前に比べて身体に水分を溜め込もうとするため結果的にむくみやすくなります。また女性は男性より筋肉量が少ないため、血液を心臓に戻すための「脚部の筋ポンプ作用」が弱く、脚のむくみが出やすいことがあげられます。同じ意味で高齢者も筋肉量の低下でむくみやすくなります。

 

病気や薬の影響

 心臓病で心臓の動きが低下している場合や、腎臓病、薬の影響でもむくむことがありますので、あまりにひどい場合は病院で検査することをお勧めします。

 

まとめ

むくみの原因は、生活習慣のなかに潜んでいるケースがほとんどかもしれませんが、中には「病気が原因」の場合もあるため、軽々に判断することも気をつけなければなりません。
足や顔や手など、部位別にあらわれるむくみの原因については、体質や生活習慣など、実に様々な要因がからんでいるために、一概にこれだと判断することは難しいものです。

 

むくみが症状となって現れる病気は意外と多いものですが、むくみが長引きひどいケースや、左右対称でないむくみ(片足だけがむくむなど)の場合、下肢静脈瘤や腎臓や心臓、甲状腺の病気などが関係しているかもしれませんので医師の診察を受けることをおすすめします。

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